春。それは出会いと別れの季節である。
しかしそれだけではない。
18きっぷが使える季節である
学生や社会人は進学、就職により人生の転機を迎えますが、その裏で旅行が大好きな人々は18きっぷを使い各所へ旅行に出かけるということだ。
私も例外ではなかった。
というわけで今回は18きっぷを使って埼玉に進学した友人に会いに行ってきた時の話を書いていこうと思います。
時は2024年4月7日。暖かい日曜日。
父親から余った一回分の18きっぷを貰ったので日帰り旅行を試みました。
行先は多摩と埼玉。多摩には催しを見に、埼玉へは大学に進学した友人Sに会いに行くという目的で出掛けます。ここから先は友人Sは「S」と表記することにします。
早朝に家を出て電車に揺られること4時間、分倍河原に到着しました。
最初の目的地は聖蹟桜ヶ丘ですが、京王電鉄に乗り換える必要があるため140円を課金し特急に乗り込みました。
一駅で到着。せいせき桜まつりが開催されており、駅周辺は多くの人で賑わっていました。
桜も満開です。春爛漫。
私のお目当ては、アイドルマスターシャイニーカラーズのアニメ(通称:シャニアニ)の放映開始を記念した展示ブースです。
会場には多くのシャニPの姿がありました。
チラシを貰い、パネル撮影、聖地巡礼をしました。非常に有意義なひとときでしたが、滞在時間は僅か30分ほどでした。
この後もSの家を訪れたあと、シャニマスのコラボカフェに行く予定があったので、なかなか忙しない旅程となっていたためです。
京王線で分倍河原に戻ったのち幾つか電車を乗り継ぎ、いよいよS宅の最寄り駅に到着しました。
買い物をするとの事だったので、近くのスーパーにて待ち合わせをすることにしました。
無事友人と合流し、私も昼食を買って一路Sの住むアパートへ向かいます。
四畳ほどの小さな部屋で昼食を取りながら近況について話しました。とはいえ越してからあまり時間が経っていないので、現状はあまり変化がないようです。
30分ほど経ったとき、私はあることに気付きました。
コラボカフェの予約の時間がギリギリまで迫っている。
おいおいおいおいおいおいおいやべぇぇぇ~~~~~~~~~~って!!!!!!!!
時間に遅れてしまっては店に迷惑が掛かってしまいます。早く出発せねば。
私「ちょ、もう出発するわ」
S「唐揚げ美味いなぁ。もう一個食ってから行くわ」
唐揚げ食ってる場合じゃねぇよ!!!!!!!!!
急いで近くのサイクルポートから自転車を借り、最寄り駅に向かいました。
S「まだ間に合う!!!火事場の馬鹿力で全力で漕ぐんだ!!!!!」
しかしその努力も虚しく、時間に間に合う最後の電車が出発してしまいました。
コラボカフェは泣く泣く諦めることに。
幸い席の予約はしておらず、テイクアウトのみだったのでその場でキャンセルをして事なきを得ました。
昔から”計画していた計画が少しでも狂う”とありえない程凹む人間だったので、今回もまたやってしまった...と凹んでいました。
そんなとき、
S「じゃあ今からコクーンシティ行かん?」
と提案されたのでそのまま自転車でさいたま新都心方面へ向かうことに。
かなりの長時間、魂の抜けたまま自転車を漕いでいると、高いビル群と、さいたまスーパーアリーナが見えてきました。駅の付近に自転車を返し、人ごみの中を歩きました。
この辺から旅行デバフが解け、明日大学があるという事実を思い出して更にテンションが低くなっていた気がします。
午後の傾きかかった陽射しを浴びながら、静岡に帰りたくない気持ちが頭の中で交錯してかなり憂鬱になってきました。
コクーンシティに到着。ただでさえ大きい建物が更に三つに分かれていることに驚きを隠せませんでした。
こんなに広いのに中には溢れんばかりの人々が行き交っています。
SはGUと紀伊国屋書店で買い物をしました。スラックスと参考書が欲しかったようです。
帰りの電車が来る時間が迫ってきました。
今度こそは遅れるわけにはいかないと、余裕をもって駅に向かいました。
私の頭の中は履修登録と課題のことでいっぱいです。
そしてエスカレーターに乗ったその瞬間、遂に私の中の何かが音を立てて崩れ始めました。
私「帰りたくないョ...」
予定が狂ってしまったショックと大学への登校を控えている憂鬱でマジ泣きしまいました。泣くなよ。豆腐メンタルすぎるだろ。本当に恥ずかしい。
Sはめちゃくちゃ同情してくれました。
S「帰らなくていいよ。ウチ泊まっていきなよ。」
改札に着くまでの間、ずっと慰めてくれました。
さすがに入学したての大学をサボる訳にはいかないので泊まることはできませんでしたが、本当に優しい奴だと思いました。本当にありがとう。
さいたま新都心駅の改札に着き、いよいよ別れの時です。上野東京ラインのホームに降りていく私を、Sは見えなくなるまで見送ってくれました。
ボックスシート席に座り、流れる景色を眺めながら暖かい友人に囲まれて生きている事に改めて感謝すると共に、時間には余裕をもって行動すべきだったと反省しました。
次のコラボカフェは絶対行ってやるぞ。
今度はSも連れて行ってあげようと思います。
Sへ
今回の件は迷惑かけてしまって本当にごめん。
今度は一緒に池袋行こうな。